見えない”ケア”を可視化するコレクティブマップ: De Informele Zorgkaart

「De Informele Zorgkaart(Informal Care Map)」は、私たちがアムステルダム滞在中に現地のアーバニストチームCascolandと協働して実施した、コレクティブマップのプロジェクトです。アムステルダムの西のエリアのコミュニティに入りこみ、ここに存在する見えないケア=助け合いを可視化する取り組みを行いました。

大きな都市開発に、小さなコミュニティが置き去りにされないために
今回テーマとしたのは、Van Deysselという街区です。アムステルダムの西に位置するこの場所は、集合住宅が建ち並び、モロッコやトルコ系の移民が多く居住するエリアです。Cascoladがこのストリートの商店街の再生に取り組む一方で、大きな都市開発の計画が進められ、住民たちは不安を抱えていました。そんな中で、今回私たちが彼らと対話していく中で提案したのが、見えない助け合いを可視化する「invisble care map」のプロジェクトです。Cascolandが地域に介入する中で発見したのが、住民の多くが孤独や孤立の問題を抱える一方で、母国ではない国で、同じ移民同士の繋がりや、小さな助け合いが存在しているというストーリーでした。また、現在の都市開発の中で、その見えないケアが行われているコミュニティスペースが、商業的なサービスにとって変わられてしまうという可能性が出てきていたことも、このプロジェクトを実施するきっかけとなりました。

住民から、「見えないケア」の物語を集める
このプロジェクトでは、住民たちが体験した支え合いや、大切にしている関係性など、外には見えてこないパーソナルなケアの物語を地図上で共有・可視化できる仕組みになっています。住民への認知のために、実際にストリートに対話するための小屋を出し、様々なインタビューも行いました。実際に投稿をしてもらったりインタビューをする中で、今まで見えていなかった、地域の組織や、20才の若者が、地域の同年代を集めて、このストリートを守ろうとする活動が始まっていることなど、介入しなければ見えてこない収穫もたくさんありました。今後は、さらに住民への認知を広め、開発者や行政に対して、何を残して何を更新すべきかを提案していく一つの道具として活用することを目標としています。

URL: informele-zorgkaart.herokuapp.com
プロジェクトパートナー:Cascoland
協力メンバー:Fiona de bell, Roel Schoenmakers, Mara Lin, Agnes Matthews
開発:Jasper Stephenson


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